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刑事とJK

第59章 4つの事件



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「先生、怖いよぉ」



子供は、千花の服を引っ張った

その子供の頭を、千花は優しく撫でてやる



「大丈夫ですよ、すぐにお家に帰れますからね」



すぐに帰れる



そんな確信は、千花には全くない


ただ
この場にいる子供たちを泣かさないよう

言葉を選んで答える



「先生ぇ…」



子供たちは千花にしがみつく



「よしよし…」





ガシャンッ!!



大きな音に驚いて、一斉に振り向いた



見ると椅子が蹴倒されている


蹴倒したのは、黒い服を着た男



「ぴーぴーと泣くんじゃねーよ、いらいらする」



言葉通り、男の顔には苛立ちが見えた



「…」



今日、毎週のように華道教室を開いていると

突然複数の男が入ってきた




千花は抵抗し、せめて子供たちだけでも逃がしてやろうとしたが

虚しくも全員、この建物に連れてこられてしまった




「…なぜ、このような事をなさるのですか?」



千花は勇気を出して聞いた



「口出すな」



男は、千花に銃口を向ける



「……はい」



今は、おとなしく従っておくのが
よろしいのでしょうか…




そこへ、もう一人男が入ってきた


「警察がやっと到着だそうだ」


「おっそい御出動だ。
まぁ、とりあえず時間を引っ張るのが目的だからな」



千花は男たちの会話を聞いていたが、イマイチ意味がわからない



「…」



震える子供たちの体を、ギュッと抱きしめた



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