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刑事とJK

第11章 伝えられない想い

―――――――――――


斉藤は心配した


自分が部屋に戻ってから、なかなかゆうひが帰って来ない



さっきの非常階段の場所から、出入り口に行こうと思うと、必ずこの刑事科室の前を通らなければいけないからだ



津森が相手してくれてんのか…?

変なことしてなきゃいいけど…




その時、窓の向こうで、ゆうひが廊下を通り過ぎるのを見つけた


斉藤は急いで部屋から出た


「ゆうひ!!」


ゆうひは足を止める


「悪い、ごちゃごちゃなって全然話が聞けなくて…」


『もう何もない…』



「…は?
でも、とりあえず来週の…月曜か、公園来いよ?」



『なんで…あたしなんかと会ってくれるの?』



ゆうひの声は枯れていた


「おい、どうし…」


ゆうひの肩を掴んでこっちに向けると

その目は充血していた



「お前、目真っ赤じゃねぇか!!まさか泣いて…」


『何でもないよ!!』


ゆうひは斉藤の手を振り払う



「…何があった?」



『何もないって…何回言ったらわかんのよ
あと、あたしやっぱり公園には行かない。だからあんたも来なくていいよ』


「はぁ?お前から言ってきたんじゃねぇか…今さら…っておい!!」

ゆうひは走って行った


「バカ!!オレは待ってるからな、お前が来るまで!!月曜の3時だ!!」


そう聞こえたが、立ち止まりはしなかった

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