
【リレー小説】ルイーダの酒場
第31章 絶体絶命のピンチ
地鳴りが始まって数分。
壁に入ったヒビが、みるみるうちに広がっていく。その場にいた誰もが、持続する不快な低音に眉をしかめ、恐怖を感じた。
「地震じゃないんだったら、何だってんだ? 頭の中がミックスされそうな気分だぞ」
声を震わせてムトが尋ねる。
「あたしも酔ってきたみたい、気持ち悪~い。ねぇ、王様。これは、魔玉の力なのぉ? どうしたら、止まるのぉっ?」
「む~? エレレレレ~」
「うがっ (大変だっ、王様が吐いちゃったじょ)」
王様を介抱しているうちにも、地鳴りは続く。ムトは体がグラグラと回っているような気分になって、よろめいた。
「くっ。やっぱ、ここは脱出するしかないっ」
「でもぉ……」
レミファは、倒れている光邦の腕を引っぱろうとしたが、重くて動かせない。
「カマ勇者なら、きっと大丈夫だ。こいつが想像をはるかに越えて強いのは知ってるだろ?
最優先は、ぱ……王様だ! 王様を守るのが俺たちの使命。だから、一時退却だ!」
「そ、そうね。黒帽子のマスク男と神父さんも気がかりだわ。ってことで、カマ勇者、また会おうね!」
「レミファ、急げ!」
壁に入ったヒビが、みるみるうちに広がっていく。その場にいた誰もが、持続する不快な低音に眉をしかめ、恐怖を感じた。
「地震じゃないんだったら、何だってんだ? 頭の中がミックスされそうな気分だぞ」
声を震わせてムトが尋ねる。
「あたしも酔ってきたみたい、気持ち悪~い。ねぇ、王様。これは、魔玉の力なのぉ? どうしたら、止まるのぉっ?」
「む~? エレレレレ~」
「うがっ (大変だっ、王様が吐いちゃったじょ)」
王様を介抱しているうちにも、地鳴りは続く。ムトは体がグラグラと回っているような気分になって、よろめいた。
「くっ。やっぱ、ここは脱出するしかないっ」
「でもぉ……」
レミファは、倒れている光邦の腕を引っぱろうとしたが、重くて動かせない。
「カマ勇者なら、きっと大丈夫だ。こいつが想像をはるかに越えて強いのは知ってるだろ?
最優先は、ぱ……王様だ! 王様を守るのが俺たちの使命。だから、一時退却だ!」
「そ、そうね。黒帽子のマスク男と神父さんも気がかりだわ。ってことで、カマ勇者、また会おうね!」
「レミファ、急げ!」
