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三匹の悪魔と従者たち

第10章 再び王の間へ




「さて。 期限一杯まで待ったわけだが」


相変わらず禍々しくも邪悪な雰囲気に包まれている王の間にて、大魔王サタンは玉座にゆったりと腰を掛けていた。

切り立った岩間からは湯気をあげた水がこぽこぽと泡を浮きあがらせており、今日も、いかにもいい湯加減を約束している。



本日がくだんの一ヶ月である──────

眼前の息子たちを前に、彼は開口一番、そう切り出した。


彼らに目を配る王の視界の中にただ一人、ユーゴだけが彼の背後に女性を伴っていた。
ユーゴとしてはアイシャとの婚約について、父親への報告をいつしようかなと先日のお茶の際に考えていた時に、そういや一週間後が期限だったから丁度良い。 そんな考えで今日彼女を伴ってここに来たのであった。


「元従者のアイシャ。 ユーゴが選んだ結婚相手か。 あとは………と」


アイシャが「お久しぶりでございます。 サタン様」膝まづいたまま深々とお辞儀をしたが、事前になにも聞かされていなかった彼女は、いきなりこんなところに連れてこられて面食らっていた。

そんな彼女に頷きを返し、サタンは残りの面々に目をやった。


「俺には無理だったらしい」


幾分か目を逸らしがちにゴウキが言い。


「おれもかな。 なんっか、遊ぶ気さえ起こらなくってね……勿体ないけど」


続けてはあ、とため息をついているジンと互いに顔を見合わせ、肩をすくめる。



「ああ……情けないのう。 ………とはいえ、約束は約束だからな。 次期王は、ユーゴに」




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