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三匹の悪魔と従者たち

第1章 我儘サタン



うなだれながらぷるぷると体を震わせる、そのまるで小動物のような父親の姿を前にし、三人の息子たちは当惑して顔を見合わせた。


「むしろ小悪魔的要素で来られても」

「落ち着いてよ。 父さん」

「分かった分かった。 ちっさいオッサンが泣くな。 面倒くせえ」


そう言いつつ、のらりくらりと立ち上がった王子の気配に気付いたサタンは、しめしめこれ幸いなどと思ったかは分からない───────が、顔を上げて改めて彼らに向き直り、再び毅然と言い渡したのだった。



「一ヶ月後に結婚相手を見つけ、ここへ連れてくるのだ。 その中で悪魔の嫁として一番相応しい女性を伴侶とした息子を、わしの後継とする」





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