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アシスタントで来ただけなのに…!

第2章 共同生活と住み着く男の霊

先生の後を追いながら二階の廊下を進む。
スタスタと前を歩く先生は、後ろから見ても綺麗だ。
背丈もある、肩幅をガッツリとはしてないが男性らしさがあり色気もある。

背中すらも美しいなんて、ルイ先生は何者なんだ。

流れる髪に見入っていると、先生が振り返った。

「っわ」

視線がガッツリと合い、咄嗟に目を逸らす。
ドキッとした、変に思われただろうか。
横を向いて目を逸らした私に特に気にする様子はなく、気づけば私の部屋を通り越して、階段を上がってすぐの部屋に到着していた。

「ここは浴室だ」

ガチャっと扉を開けると、モダンなタイルが広がった一室だ。
三面鏡になった大きな洗面台と横にはトイレと思われる扉があった。
洗面台のすぐ横の観葉植物と小さな脱衣所、すりガラスを挟んでシャワー室がある。

「お洒落ですね…雰囲気も明るいです」

「ここもリフォームをした」

明るい照明に照らされた部屋を見渡していると、先生はすぐ様部屋を出て階段を降りていった。

「っあ、待ってください!」

後を追うように扉を閉めて、浴室を背に階段を降りる。

先生は階段を降りると、すぐ横にあるリビングに入っていった。
私が追いついたのを確認すると、少し埃被ったリビングを見渡しながら口を開いた。

「ここは見ての通りリビングだ、ソファやテーブルはあえてここへ来る前の状態にしている」

「ここへ来る前…つまり前の人が使っていた家具をそのまま置いているってことですか?」

先生は頷くと天井に吊るされたシャンデリアを見上げた。
私も一緒になって見上げると、灰色に染まったシャンデリアと蜘蛛の巣が目に入った。

ここはどうやらリフォームされてないらしい。
特に手入れもされていないようだ。

大きな窓から光が差し込むが、なんだか不気味な雰囲気が漂っている。

すると先生は奥に進み、ダイニングを案内した。

「ここも来る前の状態のままにしている。キッチンもすぐそこにある」

言われたキッチンを見てみると、多少は汚れているが黒カビやそういったものは発生してなく、窓も簡単に開きそうだ。

ここは多少は手入れされているようだ。
それもそうか、先生だって料理をするはずだ。

「奥の方には洗濯場がある、裏庭へ行く扉をある」

洗濯場も気になったが、先生は特にその部屋は案内せずすぐ来た道を引き返した。

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