
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
診察室へ戻ると、大海先生はもう待っていて。
病状の説明をされた。
「うーんと、これが子宮なんだけど」
モノクロの写真をわたしに見せる。
「薬の効果が出てきたね。継続していけば良くなっていくと思う」
「……わかりました」
「気持ち悪くなったり、腹痛だったりは、改善したかな?」
「うーんと……前よりいいです。厨房のみんなにもお話して、つらいときは休んだりしてます」
「そっか、セーブできてえらいね。そしたら少し、薬増やしてみようかな」
「え……」
まだ増えるの……? 増やしたら、また気持ち悪くなるんじゃない?
不安な表情を隠さずにいると、大海先生が言った。
「治療の方向は、少しずつ薬の量を増やして、ホルモンバランスを整えるっていうイメージなんだけど、いまの薬の量だとまだ少ないのね」
「……少ないんですか……」
そういえば、前回つらいって言って、減らしてもらったんだった。やっぱりだんだん強くしていくんだ。
「うん。のんちゃんの飲んでる薬は、ホルモン剤って言って、ホルモンの調子を整えるのにはとても大事なものだから。少しつらくても継続してほしいなぁ」
そう言われて、大海先生にまっすぐと目を見つめられてしまうと、頷くことしかできない。
大海先生、口調は優しいけど、もしかして割とスパルタだったりする……?
「勝手に止めたりすると、微量でも調節が大変だからさ。つらかったら相談してほしいな。いいかな?」
「……はい」
「そしたら、また来月。お大事にね」
