
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
採血をして、結果が出たあと。
吹田先生と向き合った。
「今回の血液検査も異常なかったよ」
「……良かったです」
「でもちょっと気になるのは……んー、ホルモン値がねー。これは婦人科の薬の効果だと思うけど」
ドキッ……
「まあ、様子見ようかな。大海先生にも言ってあるから」
吹田先生は画面の数値を険しい顔で見ている。
「それと、のんちゃん。薬はちゃんと飲めてるね?」
バレる……かな。
「はい」
何事も無かったように、頷く。
心臓がどきどきとうるさい。変な風に、胃がねじ曲がるような感覚が襲って、嘘をつく罪悪感に潰されそうになる。
「のんちゃん、厨房にいる感じ大丈夫そうなんだけど、絶対に無理はしないことね。今日も、良さそうで悪いよ、顔色が」
え、バレてる……?
自分の頬に手を当てる。鏡があるわけじゃないから、咄嗟に俯いてしまう。
「まあ、そんな感じで。自分は大丈夫と思っても、無理しないことだね」
「…はい」
「じゃあ、今日はあと喘息の検査して終わりにしようか」
「えー……」
まだやるの、検査。
「さっき胸の音聞いた感じ、そろそろ喘息出ると思うんだよね。大丈夫、すぐ終わるから」
