
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「のんちゃんも、我慢してたんだよね。つらかった? 治療、怖かったね」
いつもの優しい大海先生だった。
横になっているわたしの背中を撫でてくれる。
……とっても怖かった。
あんな大海先生も初めてだったし、あんな恥ずかしい自分だって誰にも見せたことなかった。
治療だということは、またやらなきゃいけない不安だってぶくぶく湧き出て、どうしようも無い。
大海先生、絶対、まだ怒ってると思ったのに……。
さっきあんなに鬼みたいな治療をしていた大海先生とは打って変わって、いつもの、よく知ってる大海先生だったから、余計に涙が出る。
