ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
ベッドサイドでわたしの様子を見守りながら、手元のパソコンで電子カルテを操作している陽太先生の横顔を盗み見る。当直明けで疲れているだろうに、全く疲労の色を見せずにパチパチとキーボードを操作する様子は、なんだかクールである。眠そうな顔ひとつしない。
当直明けくらい、もっとかっこ悪い姿でいても良いのに。
そしたら、わたしだってこんなに心臓を揺らさなくていいんだから。
……いや、どんな陽太先生でも、ドキドキしそうな気もするけど。
とにかく陽太先生は、いつもいつでも隙がない。
わたしにはきっと、小児科の子どもと同じくらい優しくしてくれているし、いつも笑顔でいてくれる。子どもの頃からずっと、変わらなかった。
それがなんか、ヒーローみたいでかっこいいなと思う時もあれば、わたしばっかりと卑屈に思う時もあって。
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