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土竜と猫の憂鬱

第1章 普遍的なもの。

いつも、何かを探していた。
それは普遍的な存在であって、揺るがないもの。

雨の日の音や、かんかん照りの日に紛れている、ノイズや、微生物、分子レベルのウイルス達、その中にもっともっと細かく分断された、人々の感情。

その中に紛れている何かを見つけたかった。だけど、俺はそれに辿り着く事は無かった。
今までも無かったんだから、オッさんに近づいてる俺は、これからなんてもっと無いよな。
土の中に潜ってる、お前は分かんないよな?俺が近づいたら、土の中に潜って、姿を現さなくなる。
だから、俺はお前の事、放置したし、いつかは戻ってくると思って接してたんだ。
会えなくなった今も、お前は俺の事思い出してんのかな?

凄くありきたりな言葉だけど、こんな雨の日は思い出す。一人よがりだよな?我ながら女々しいと思うし。
会いたいと口に出すのも、また違うような気がする。
だって俺はお前の事、何も知らないもんな。

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