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シャイニーストッキング

第8章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一

 212 昂ぶりの疼き

『せっかく、あんなにすごく、感じられるようになったのに…』
 それは、その言葉通りの単純なモノではないと思われ、そしてきよっぺの今夜の突然の生理というその事実に

 この先私といつ逢えるのか…

 今度、この次はいつ抱いてくれるのか…
 そんな『愁い、憂い』等々の想いが込められていると思われたのだ。
 
 私はきよっぺと口吻を交わしながらそんな想いが浮かび、ザワザワと心を騒めかせていた。
 その反面、ズキズキとオスの本能も疼いてきていたのだ。
 そしてさすがにそれには自分自身でも呆れてしまう。

 おいおい、さっき、ついさっきノンを抱いて、愛してきたばかりじゃないか…

 それなのに、この唇の中に流れ込んでくるきよっぺの甘い唾液に、絡まり合う舌の感触の心地良さに、心を震わせ、昂ぶり、疼かせているのだ。

 いったい、いつから私はこんなに精力絶倫になったんだ…

「あら…」
 そしてこの昂ぶりの疼きがきよっぺにもバレてしまう。

「あ、こんなに…硬い、硬くなってる…」
 彼女はそう囁き、スッと右手でソレに触れ、確認してきた。

「あ、いや…」
 呆れているのと、恥ずかしさが複雑に心を騒つかせてくる。

「生理になっちゃって、本当にごめんね…」
 彼女は本当に、すまなそうに謝ってきた。

「いや、いい、大丈夫だよ…」
 謝られるとなんだか自分自身のズルさ、汚さが余計に実感されてしまい、情けなく思えてきてしまう。

「ホント、ごめんね」
 どうやら彼女は、そんな私がこの突然の生理で本当にがっかりとしていると思っているようであった。

 そして私はそんな会話を変えようと…
「あ、そういえば、ワンコールの着信があったみたいだけど…」
 と、訊いたのである。

「あっ、う、うん…」
 すると彼女はなんとなく歯切れの悪い返事をしてきたのだ、そして…

「あ、あのぉ、あれはね、そのぉ…
 じ、実はさぁ、急に生理になっちゃって、慌てちゃって、なんかこっぺに言わなくちゃってさぁ…」
 と、恥ずかしそうに言ってきた。

「え、そう…」

「う、うん、そうなの…
 でもね、直ぐにね、そんな事で電話するなんてってさぁ…
 それに、そんなくだらない事でせっかくお友達と会ってるところに水を差しちゃあまずいと思って…の、ワン切りになっちゃったのよ」
 



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