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　25　イメージ…

「なんかさぁ、最近は男が面倒でねぇ…」
　そしてそう付け加える。
　大概、これでわたしの事は終わるのだ。
　だが、この一瞬の『美冴さん』の名前を聞いてのときめきで、少し胸が騒めいてしまってきていた。

「なんかぁ、本当にゆかり室長はぁ、勿体ないですねぇ」
　だが、なかなか越前屋さんはわたしの話題を変えてこない…
　だから今度は、わたしが越前屋さんを攻めてみる。

「そういう越前屋さんは、最近はどうなのかしら？」
　
「えっ、わ、わたしですかぁ」
　すると越前屋さんは少し動揺してきたのだ。

　実は、わたしにとっての越前屋さんに対するイメージは

　かわいい…

　明るい…

　ほがらか…

　それらであって、男関係のイメージは全く湧いてこないのであった。

　だが…

「実はぁ、春先にぃ別れちゃってぇ…」
　と、全く予想外の言葉を言ってきたのである。

「ええっ、春先にっ？」

　春先に別れたって？…
　わたしは驚いてしまう。

「室長さん、えつは意外とモテるんですよ」
　と、伊藤さんはわたしの驚きを察知して、そう言ってきたのである。

　意外とモテる…

　まさか、このかわいい、越前屋さんが…

　わたしにとってのかわいいは、女性的魅力の可愛いではなく、どちらかといったらマスコット的なかわいさであったから、本当に驚いてしまっていた。

　だから、この越前屋さんが男と居るイメージが湧かないのである…

　まさかぁ…

　本当にわたしにとっては『まさかぁ』なのである。