
シャイニーストッキング
第14章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一
184 諸悪の根源
「もう……
すっかりわたしの気持ちが切れちゃったんです…」
彼女、竹下さんはもう一度そう言ってきた。
「え、それって?」
その彼女の言葉に、すっかりと同情の思いを持ってしまったわたしが、つい反応してしまう。
「え、あ、はい…
もう会社を辞めたいなぁ…って、いや、あの永岡支社長の顔を見たくないなぁって…」
「あ、そう、そうですよね…」
そう、彼女の話しを聞く限りは、あり得ない、いや、自己責任的な内容といえるのであるが…
だけどこの会社という組織に入り、一生懸命に働き、全ては会社の為にと考え、思えば思う程に、こんな落とし穴に陥り易いのだとわたしは感じていた。
『あの永岡支社長の顔が見たくない…』
そしてそう、彼女がこうして落ちてしまった原因には、いや、全ての諸悪の根源とは…
この永岡支社長であり、その背後に鎮座していた本社の真中前常務という存在なのだ。
「それを昨夜に一也さんに話し、泣きついてしまったら…
こうして諭され、目醒めさせてくれたのですが、でもぉ、もう切れてしまった気持ちは結べなくてぇ…」
「そこで俺が雪恵に異動を提案したんですよ…
きっと大原常務がなんとかしてくれるかもって…」
と、青山一也が彼女の最後の言葉を代弁してきた。
「あ、うん、うむ、話しはだいたい分かったんだが…」
彼、大原常務はそう返しながら、わたしの顔を見てくる…
だが、そんな彼の目にはやや困惑の色が浮かんでいた。
「うむ、だいたい分かったけど…
青山くんの異動はともかく、いや、今回のこの出張の本来の目的だから…
だが、竹下くんはぁ……」
と、すっかり困った声音となり、わたしに助けを求めてくる。
確かに…
いくら本社の常務取締役とはいえ、いくらイチ女子社員とはいえ、それ相当の理由が無くての、ましてや地方からの本社への異動なんてそう簡単には出来ないのだ。
なぜなら地方支社から本社への異動とは…
それはある意味、栄転異動の類となる。
いや、例え本社と同じ東京都内のいずれかの支社への異動てしても、それ相当の理由が必要であり…
ましてや女子社員が理由も薄く、常務命令での異動となるとどんな噂が溢れ出るか、いや、ゴシップ的な噂しか立たないであろう。
それに無理矢理の異動は…
「もう……
すっかりわたしの気持ちが切れちゃったんです…」
彼女、竹下さんはもう一度そう言ってきた。
「え、それって?」
その彼女の言葉に、すっかりと同情の思いを持ってしまったわたしが、つい反応してしまう。
「え、あ、はい…
もう会社を辞めたいなぁ…って、いや、あの永岡支社長の顔を見たくないなぁって…」
「あ、そう、そうですよね…」
そう、彼女の話しを聞く限りは、あり得ない、いや、自己責任的な内容といえるのであるが…
だけどこの会社という組織に入り、一生懸命に働き、全ては会社の為にと考え、思えば思う程に、こんな落とし穴に陥り易いのだとわたしは感じていた。
『あの永岡支社長の顔が見たくない…』
そしてそう、彼女がこうして落ちてしまった原因には、いや、全ての諸悪の根源とは…
この永岡支社長であり、その背後に鎮座していた本社の真中前常務という存在なのだ。
「それを昨夜に一也さんに話し、泣きついてしまったら…
こうして諭され、目醒めさせてくれたのですが、でもぉ、もう切れてしまった気持ちは結べなくてぇ…」
「そこで俺が雪恵に異動を提案したんですよ…
きっと大原常務がなんとかしてくれるかもって…」
と、青山一也が彼女の最後の言葉を代弁してきた。
「あ、うん、うむ、話しはだいたい分かったんだが…」
彼、大原常務はそう返しながら、わたしの顔を見てくる…
だが、そんな彼の目にはやや困惑の色が浮かんでいた。
「うむ、だいたい分かったけど…
青山くんの異動はともかく、いや、今回のこの出張の本来の目的だから…
だが、竹下くんはぁ……」
と、すっかり困った声音となり、わたしに助けを求めてくる。
確かに…
いくら本社の常務取締役とはいえ、いくらイチ女子社員とはいえ、それ相当の理由が無くての、ましてや地方からの本社への異動なんてそう簡単には出来ないのだ。
なぜなら地方支社から本社への異動とは…
それはある意味、栄転異動の類となる。
いや、例え本社と同じ東京都内のいずれかの支社への異動てしても、それ相当の理由が必要であり…
ましてや女子社員が理由も薄く、常務命令での異動となるとどんな噂が溢れ出るか、いや、ゴシップ的な噂しか立たないであろう。
それに無理矢理の異動は…
