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シャイニーストッキング

第5章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1

 51 5年前、あれから…(37)

 いやらしく醜いわたしが美しい少年の上で快感に、快楽に、喘ぎ、身悶えしていたのである。

 ああ、なんていやらしい…

 ああ、なんて醜い…

 なんて汚い…

 そんな自虐の想いがまた、快感の感情を淫らに煽ってくるのだ。
 その鏡に写る自身の目に、いやらしく、醜く欲情している汚いメス女の目に、魅入られてしまうのである。

「ああっ、んんっ、はぁぁ…」

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…

 その鏡の自分に、自身の目に魅入られていく。

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…

 はっ…

 その時であった。
 鏡に写っている和哉が、彼の目が、そんなわたしのいやらしく、醜く、汚いメス女の目を見つめているのに気付いたのだ。
 下にいる和哉は、鏡を通してわたしの目を見つめていたのである。

 ああ、和哉…

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…

 いや、見ないで…

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…

 だが、まだ和哉はわたしを見ている。

「はっ、はっ、ああぁ…」

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…
 わたしは腰をゆっくりと上下しながら、快感に喘ぎ、天井の鏡を見続けていた。

「あっ、あっ、はっ、はっ…」

 ジュブ、ジュブ、ジュブ、ジュブ…

 まだ見ている…

「ああっ、イヤ、かずや、見ないで…」
 心の自虐の想いを、とうとう声に出してしまう。
 そしてふと、下を向く。

 あっ、ああっ…

 下にいる和哉と直接目が合った。
 和哉はわたしを熱い目で見つめていたのだ。

「あんっ、イヤっ、こんな汚いわたしを…」
 その時わたしの目には、その下にいる和哉がすごく、より綺麗に、より美しく見えていた。

「イヤよ、汚いわたしを見ないで…」
 そして反対に、わたし自身は、より汚く、より醜く感じていたのである。
 まさにそれは、わたしの心の鏡の想いといえ、心の自虐の叫びでもあった。

 自分の欲情の…

 欲望の…

 自分の都合のよい…

 そんな自分勝手な想いに、こんな純粋な、純真な少年の和哉を巻き込んでしまった。
 ずっと心に秘めていた、潜ませていた罪悪感が、こうして鏡を通して現れて、わたしの心に見せつけてきたのである。

「イヤよっ、そんなにわたしを見ないでっ」

 わたしはそんな自虐に耐え切れなくなりつつあった…



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