
シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
14 この言葉…
だけど…
だけどね…
次の朝にね…
全部が…
全てが…
この街の空気が…
この街に居る事自体が…
全部が嫌になっちゃったの…
美冴さんはそう云ったのだ。
「全部が……」
「うん…全部………
ほら、和哉がさぁ、早番だからって朝、慌ててホテルから着替えに帰ったじゃない…」
「はい…」
「あの和哉が出て行ったホテルのドアが閉まった瞬間からかな…
全部が嫌になっちゃったスイッチが入ったのよね…」
そう、僕を見つめながら話してきたのだ。
ドキドキドキドキ…
凄い話しだ…
まるで美冴さんの心の慟哭だ…
そんな彼女の言葉に、ちゃんと僕を認めてくれているという実感を感じていた。
「だから………」
「えっ…」
「だから…
ごめんなさいね、何も和哉に云わないで消えちゃって…」
ああ…
僕はこの言葉に心が震え、そして感動してしまう。
「一瞬で全部が嫌になっちゃったの…」
「あ……」
言葉にならなかった。
「苦しかったのよね…」
うん…
「辛かったわよね…」
はい…
「突然って、辛いわよね…」
あ、はい…
「ごめんなさいね…」
は、はい…
「だから、和哉…
キミのことは嫌いになった訳じゃないのよ…」
ドキドキドキドキ…
「いえ…
大好きだったわ…」
うわぁ…
心が震え、激しく波打ってくる。
『大好きだったわ…』
もうこの言葉で充分なのかもしれない…
いや、僕は、僕は…
この五年間…
この五年間、この言葉を訊きたくて…
この五年間という時間の全てはこの
『大好きだったわ…』
この言葉を訊きたいが為に存在したのかもしれない…
いや、そうである…
「和哉、キミが大好き…」
美冴さんは凛とした輝きの目で僕の目を見つめ、再びそう言ったのだ…
そして…
「ありがとう…」
…と。
だけど…
だけどね…
次の朝にね…
全部が…
全てが…
この街の空気が…
この街に居る事自体が…
全部が嫌になっちゃったの…
美冴さんはそう云ったのだ。
「全部が……」
「うん…全部………
ほら、和哉がさぁ、早番だからって朝、慌ててホテルから着替えに帰ったじゃない…」
「はい…」
「あの和哉が出て行ったホテルのドアが閉まった瞬間からかな…
全部が嫌になっちゃったスイッチが入ったのよね…」
そう、僕を見つめながら話してきたのだ。
ドキドキドキドキ…
凄い話しだ…
まるで美冴さんの心の慟哭だ…
そんな彼女の言葉に、ちゃんと僕を認めてくれているという実感を感じていた。
「だから………」
「えっ…」
「だから…
ごめんなさいね、何も和哉に云わないで消えちゃって…」
ああ…
僕はこの言葉に心が震え、そして感動してしまう。
「一瞬で全部が嫌になっちゃったの…」
「あ……」
言葉にならなかった。
「苦しかったのよね…」
うん…
「辛かったわよね…」
はい…
「突然って、辛いわよね…」
あ、はい…
「ごめんなさいね…」
は、はい…
「だから、和哉…
キミのことは嫌いになった訳じゃないのよ…」
ドキドキドキドキ…
「いえ…
大好きだったわ…」
うわぁ…
心が震え、激しく波打ってくる。
『大好きだったわ…』
もうこの言葉で充分なのかもしれない…
いや、僕は、僕は…
この五年間…
この五年間、この言葉を訊きたくて…
この五年間という時間の全てはこの
『大好きだったわ…』
この言葉を訊きたいが為に存在したのかもしれない…
いや、そうである…
「和哉、キミが大好き…」
美冴さんは凛とした輝きの目で僕の目を見つめ、再びそう言ったのだ…
そして…
「ありがとう…」
…と。
