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綺麗なあの人に抱かれたい!

第8章 大好き!

 もう一眠りしようかとベッドへ戻る。くまちゃんを床に降ろして、布団の中に潜り込んだ。
 布の端を掴んでめくれば、くまちゃんも潜り込んでくる。一緒に眠りたいみたい。

「……あ」

 その時、視界に入ったもの。
 床に置いたままのノートに、私は手を伸ばした。

 ぺらぺらとページをめくれば、これまで卯月さんに教わった料理の作り方が書き込んである。
 そのひとつひとつを、くまちゃんと一緒に眺めていく。
 
「今日の夕飯はこれにしようか、くまちゃん」
「わうっ」

 初めて出会った日に卯月さんが作ってくれた、ナスと挽き肉のナポリタン。
 あれ以来、まだ食べていない。
 今までは一緒に夕飯を作ることが大半だったけれど、たまには私から先に作っちゃうのもいいかもしれない。

 帰ってきたら、どんな顔するかな。
 初めて会った日に食べたご飯だって気づいてくれるかな。
 喜んでくれるといいな。

 期待感を胸に抱きながら、私はそっと瞳を閉じた。



《本編完結》




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