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綺麗なあの人に抱かれたい!

第11章 ☆後日談【3】想い、想われ、嫉妬する。


 世界で一番、嫌いな言葉がある。



「奈々」
「なに?」

 木曜日の夜。
 卯月さんのお部屋。
 2人掛けソファーの上で、私はのんびりくつろぎタイム。

 クッションを両腕に抱えながら、ニコニコと上機嫌。
 何故なら明日が金曜日だからだ。

 私達は週末になると、どちらかの部屋で一緒に過ごすことが多い。明日は、私が卯月さんのお部屋に泊まりに行く予定の日だ。

 早く明日にならないかな、なんて、内心小躍りしてる私を横目で見ながら、卯月さんはネクタイを緩めて───『ソレ』を言い放った。

「言い忘れてた。明日、会社の飲み会あるから」
「………」

 ………キタコレ。飲み会。

「そ……そか。いいね飲み会」
「まあ、たまには付き合わねーとな」
「そ、そそそだね。親睦は、だ、ダイジデス。」

 ショックのあまり片言になってしまった。

 私はまだ学生で、卯月さんは社会人。
 上司や同僚のお付き合いもしていかなきゃいけなくて、私だけを常に優先するわけにはいかない。

 私だってゼミやサークル仲間との飲み会があったりするし、卯月さんばかりを優先するわけにもいかない。
 学校や職場との人付き合いも、大事なこと。

 それはわかってる。
 わかってる、んだけど……ね。

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