テキストサイズ

綺麗なあの人に抱かれたい!

第12章 ☆後日談【4】一緒にお風呂!

「ばばんっばばんばんばん! あびばびばびば!」
「………」
「ばばんっばばんばんばん! はぁ~あびばびば!」
「………」
「い~い湯だっな! あははん!」
「……………………、奈々」
「なあに?」
「もう少し歌のチョイスどうにかならなかったのか」

 ちゃぷん、と波が揺れる。
 湯船に浸かったまま、卯月さんが不満を漏らした。

「お風呂で歌う曲といったら、やっぱりコレじゃないですか」
「ドリフじゃねえか」

 そんな鋭い突っ込みも、私は鼻唄で回避する。

 狭いバスタブの中、私は卯月さんに背を向ける形で彼の両足の間に収まっている。ふわふわの泡に包まれながら、ご機嫌よろしく入浴タイムを満喫中。

 お風呂は大好き。
 体温並みの湯加減が気持ちいいし、疲れも取れるし、その日の気分に合わせて入浴剤を変えられるのも、楽しみのひとつ。最高の癒し。
 しかも今日は、大好きな彼氏も一緒なんだから、気分も舞い上がってしまうというものだ。

 最近の入浴剤は、バスソルトも含めてバラエティーに富んでいる。美肌成分がたっぷり配合されているバブルバスなんて、入浴の上で絶対に欠かせない必需品だ。

 ただ、今日は卯月さんのマンションにお泊まりで、ここは卯月さんの浴室だから、無香料のものを選んで持ってきた。
 そして今日は、もうひとつ持参したものがある。

「あ、卯月さん。あのね、珍しいアヒル見つけたから買っちゃった」
「またかよ。お前な、ここにアヒル何匹浮いてると思ってんだよ。もう風呂じゃなくてアヒルの池みたいになってんだけど」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ