テキストサイズ

綺麗なあの人に抱かれたい!

第5章 付き合うって、なに?

 最初の頃は、まさかこんなに長い付き合いになるなんて思っていなかった。彼自身もそう思ってると思う。今ではすっかり、彼に気を許してしまっている自分がいる。

 最近は彼の部屋に頻繁に訪れてるし、卯月さんも私の部屋に来てくれるようになった。くまちゃんと遊んでくれるお陰で、くまちゃんと卯月さんはすっかり仲良しこよしだ。

 週に2回程度だった夕食会も4、5回に増えた。そればかりか、彼の部屋に寝泊まりすることも増えた。「泊まってけば」って誘われるようになってからは、その言葉に甘えて、ここで一夜を過ごす事もある。

 でも、だからって何かがある訳じゃない。

 卯月さんは相変わらず私を抱いてくれない。
 そんな素振りも見せない。
 それとなくアプローチしてみても、さらりと交わされてしまう。

 元カノと別れて半年以上、そろそろ卯月さんに新しい恋人が出来てもおかしくない。もちろん彼にそんな対象ができたら、私はもう卯月さんとは会わない。というか、会えない。
 でも今のところ、そんな新恋人の影はない。

 新しい彼女が出来てしまう前に、一度だけでいいから彼に抱かれたいと思っていたけれど。

 ……その意地は、そろそろ崩れかけている。

「……もう諦めようかな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ