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綺麗なあの人に抱かれたい!

第5章 付き合うって、なに?

 角度を変えながら何度も唇を塞がれる。体から徐々に力が抜けて、彼の首に腕を回した。

 卯月さんの唇が下へと滑り、肌を吸われて赤く色づく。首筋に吐息が触れて、その熱さに身体が疼いた。

「っあ、卯月さん……っ」

 期待感で胸が震える。
 頭の中が、彼に抱かれる事でいっぱいになる。
 もっと触れてほしくて、私は甘い声でねだった。

「あのね、シたいの。いっぱいシたい」
「……してやるよ。足腰立たなくなるまで」

 不穏な言葉で制して、卯月さんが身を起こす。頼もしい両腕に抱えられて、ふわっと体が浮き上がった。

 落ちないように彼の首にしがみつく。そのまま寝室に運ばれて、ベッドの上に横たえられた。
 すぐさま私の上に覆い被さってきた卯月さんと、一瞬だけ目が合ったけれど。でも交わす言葉は一切なく、すぐに唇を塞がれた。



 瞳を閉じながら考える。激しいセックスが大好きな私だけど、卯月さんはどういうセックスをしてくれるんだろう。そんなことを想像しただけで下腹部が疼いてしまう。

 さっきのキスは、思いのほか優しかったようにも感じる。肌を這う手も唇も、割れ物を扱うかのように慎重に触れてくる。
 決して性急な動きなんかじゃない。だから思った。彼は案外、そういうセックスが好きなのかもしれない。

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