テキストサイズ

500字以内のラブレター

第4章 おまじない

貴方の手を握ったまま。
その温もりを感じています。

僕は貴方より身長が10㎝高く。
貴方のオデコが口元にあって。

艶やかな貴方の髪から。
素敵な香りが僕には心地良い。

貴方の細い指。
もてあそんでいた右手をそっと離します。

くびれたウエストを引き寄せます。

ハグ、してもいいですか?

どうか僕の切ない願いをかなえてください。
もう、右手の動きは止まりそうもありません。

ああ・・・。
ありがとう。

貴方はコクリと頷いて。
そっと身体を近づけてくれましたね。

左手は貴方の小さな手を握ったまま。
右手で細い腰を引き寄せました。

温もりが広がっていきます。
貴方の素敵な香りと共に。

知ってますか?
貴方は今、私を世界で一番幸せな男にしたことを。

このまま。
そう、ずっとこのまま。

この温もりを私にください。
貴方の体温が僕と同じになるまで。

僕の左手がギュッとされました。
とても、とても嬉しいです。

僕も握り返しました。
分かりましたか?

もう一つ。
お願いが。

貴方の耳元に。
唇を近づけさせてください。

そして。
オズオズと囁くのを御許し下さい。

「愛しています・・・」と。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ