大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「今日からここで働かさせていただきます、秋山陸です!よろしくお願いします!」
櫻本学園(さくらもとがくえん)
親と暮らせない子どもが暮らす児童養護施設。
1つの大きな建物の中で4つのグループホームに分かれて生活をする。
2Fが花の家。鳥の家。3Fが風の家。月の家。
1Fの園児用玄関を入るとすぐ目の前には職員室。
「秋山さん、今日からよろしくね!」
職員室で前に立って挨拶をした俺に櫻井園長が声をかける。
園児20人ほどの少し小さな施設の為、新入社員は珍しく、今年は俺一人だ。
「秋山くんの担当は花の家になります。遥先生と、莉子ちゃんが担当してるから、色々教えてもらってね!」
そう言って遥先生と莉子ちゃんと呼ばれる二人が、俺の近くにきた。
「石塚遥(いしづかはるか)です。今年から莉子ちゃんと秋山くんが花の家のメイン担当になるから、莉子ちゃん案内と指導よろしく。」
と、いきなりとんでもないことを言ってくる春香先生と、
「はぁーい。初めまして!酒井莉子(さかいりこ)です!24歳です!秋山くんの2個上かな!、敬語とかしなくていいよ!遠慮なく莉子ちゃんって呼んでね!!分からないことあったらなんでも聞いて!!」
「は、はい、、」
テンション高めな莉子ちゃんに少し圧倒されながらも、施設を案内してくれるそうで、後ろをついて歩く。