大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「今日はね、春休みだからみんな揃ってるよ!」
そう言いながら花の家の玄関を開け、
「新しい人きたよー!!みんな出てきてー!」
各々部屋にいるだろう方向に向かって呼びかけ、左手側のリビングに入ってくのについていく。
「新しい人きたー?」
リビングにいた。
テレビの前に正座している小さな男の子が2人。
「あぁーもぅ、ゲームおしまいだってば!!新しい先生きたよ!挨拶しようか!」
「今いいところだからもうちょっとだけやりたいのぉ」と言いながら律儀に立ち上がり、挨拶をしてくれた。
「笹原悠斗(ささはらゆうと)です。」
「野口紫音(のぐちしおん)です。」
緊張してるのか、少し小さな声で2人とも、小さくペコリとお辞儀した。
「秋山です、よろしくね」
明らかに小さい男の子2人に、目線を合わせるようにしゃがみながら挨拶した。
「ねぇ悠斗、男の子だね!」
「ねぇ!一緒にゲームしてくれるかなぁ!」
「ボールだってたくさんしてくれるかなぁ!」
顔を見合わせて、ニコニコしながら小さい声で話してる。
それを見て、莉子ちゃんも嬉しそうだ。
「良かったね!悠斗は、これから小学1年生の6歳。紫音は年長の5歳ね。」
「小さ!いですね、、」
あまりに小さい年齢に驚いたものの、これからこの子たちの成長を見届けられるんだと思うと嬉しかった。