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小説以外のひとりごと

第45章 とつぜんですが

「脳梗塞」その3


病院のスタッフさんたちは皆、丁寧で、親切です


たしかに語気が強い人も居ますが、それはハッキリ伝える必要があるから、そのときだけズバッと言います(それでも丁寧語です)


また連携がすごく、
かなり細かい発言なども全員が共有されてました

体調の変化は当然ですが、
頭痛がする、
ほとんど痛くて夜中寝てない、
コップが持てない、

なども、次の時間に来た人がはじめからわかっていました


連絡ってどこの職場でもありますが、ここまで細かい申し送りは初めて見ました


数日間のあと、まだひとりでトイレに行けませんがリハビリの時間だけはゆっくり立ち上がる練習、歩く練習、などが早速スタートします


点滴スタンド持ちながら、
でも立ち上がれない


フラフラしながら、
身体を支えられてトイレまで行く練習です


とにかく足首はプリン

膝は豆腐  

腰はババロアのような状態なので恐ろしくなります


実際、ボクはリハビリの訓練受けながら
こう思っていました

「ああ、残りの人生は身体障がい者だな」


もうガーデニングも、
アクアリウムも、
車の運転も、
もちろん乗馬のレッスンも終わりです


いやいや、仕事は無くなるし、何かしらの認定を受けられたとしても、蓄えもそんなに無いので家賃も数ヶ月で無くなります


半身が麻痺したままのトレーニング

その日の夜、夢を見ました



彼女は他の男性のもとへ行ってしまいました…


家に戻ればなぜか荷物が隅の方にまとめられています


次の入居者が来たようです


知らない人がバッグに荷物を詰めるのを手伝ってくれました



そのあと


ぼくのバッグはアパートのゴミ集積所に置かれ、雨ざらしになっていました


彼女も離れ、

家も失い、

手荷物も捨てられました



雨の中、ぼくは呆然とゴミ集積所を見つめることしか出来ませんでした




その夢を見終わったあと、

病院のベッドの上で目が覚め、

呆然としてしまいました


とても現実的な夢でしたので



入院費のお金も要ります
高額医療になるので上限はありますが、
その上限額を毎月捻出しながら、家賃などの支払いもあります


身体を失ったことで、

今まで当たり前だった生活が消えてしまいそうです


こちらは夢では無さそう


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