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秒針と時針のように

第4章 認めたくないこと


 あの夜のことは、よく覚えてない。

 というより、なんつうんだ。

 朝の衝撃が強かったから。

 俺は思い出したくもなかったのかもしれない。

 だから封印した?

 過去の俺の考えなんてもう……

 ああ。

 あの日の朝が区切りだったんだ。

 俺たちにとって。

 良い区切りとは……冗談でも言えねえけど。

 あの朝俺は物音で目が覚めたんだ。

 まだ、薄暗い時間だった。

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