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飼い猫 🐈‍⬛🐾

第83章 卒業

卒業式

6年間学んだ校舎と お別れする時が 来た。

紫優くんが 中学まで 付いてきたお陰で
散々なスタートから 始まった。

まさか 付き合う事になる… どころか
婚約までするなんて…

紫優くんとは 全く接点を持たずに
卒業すると 思っていたのに…

これからも 隣に居る とか
人生は 全くもって 不思議だ…!


卒業式を終えて 皆とのお別れを
名残惜しみたい所 だけど…

号令と同時に 私は 教室を 足早に離れた。

これから行われる 学校のアイドル 紫優くんの
ファンによる 卒業式イベントに
巻き込まれたく無い から。

彼女持ちになった 今でも
紫優くんの人気は 衰えない。

バレンタインも… 本人は「要らない」と
断わっているのに ファンは どうしても
想いを伝えたい らしい。

彼女達の 純粋?な 想いを 一刀両断しないのは
かつての私が 望んだ事なのに…

面白くない !!!


紫優くんは 私の嫉妬に 気がついてる。

胸焼けする程の 糖分過多な
愛情表現をして から
彼女達の想いに 応えてあげていた。


今は あの過度な愛情表現を
受け取りたくも 無ければ
ファンサービスに 応じる 紫優くんを
見守りたくも 無い!


晶ちゃんや 仲の良かった子達には
事情を説明して 別日に ゆっくり
会う事になっている。

今は… 逃げるのみ!


ところが…

「!  倉田先輩!
一緒に 写真を お願いします!!!」

何と…
私は私で 後輩達に 捕まって しまった。


2年前の文化祭

愛茉ちゃんに嵌められて 立った
ダンス披露から ファンを 獲得してしまった
様だ。


純粋な好意を前に あしらう事など 出来ずに…
私は 大人しく ファンサービスを 開始した。


「いつも カッコ良くて
清楚な先輩に 憧れて いました!!!」

「大学に 行っても 応援して います♡」

「先輩… 優しくて 大好きです♡♡♡」

まぁ♡ 有難う♡♡♡


単純な私は
数々の好意に 満更でも 無くなって…

気がつけば かなりの時間
ファンサービスを していたみたい。


「倉田先輩… 大好きです ♡」

不意に 背中から 聞こえた
聞き覚えのある声に うんざりしながら
振り返る。

そこには 歓声にまみれた 紫優くんの姿。

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