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雨とピアノとノクターン

第6章 ピアノ編:完敗?

胸のなかに飛び込んできた鳴海を、佐屋がしっかりと抱きしめた。
 
 鳴海…大好きだよ。
 誰よりも…誰よりも…。
 だから…
 そばにいて、お願いだから…。

 なかなか止まない拍手の渦のなかで、佐屋は鳴海を腕に抱きながら、
スタインウェイに隠れて、そっとキスをするのだった…。

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 帰りの電車に揺られながら、暁学園からの刺客は何故か清々しい顔をしていた。
「ねー?だから言ったでしょ、センパーイ?アイツら、ラブラブで有名だって…。最初っから、勝負なんてはなっからなかったってコトッスよ?」
「…鳴海悠生、アート化計画失敗かぁ…うん。まぁ…アレだ、なんていうか…」

 悔しいけれど、あの二人の抱擁は、アートだったぜ…。
 連戦連勝か…。
 ああいうのを、覇者の美学っていうのかもしれないな…。

 飛坂と並んで座る台場の背には、電車の車窓から眩しいほどの美しい夕日が照らし続けるのだった。


ピアノ編

the ende

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