
碧と朝陽
第22章 月野郁人
ピピピッピピピッ
無機質なアラーム音に目を覚ます。
今日も目が覚めてしまった。
起き上がるのがだるい。気持ち悪い。
よろよろと立ち上がると水を一口、体に入れる。
「はぁ………」
一緒に抑制剤も口に放り込んだ。
今日は病院に行く日。
母親が俺の不調を心配して勝手に予約した精神科。
精神科といっても、第二の性に関する問題から起こる不調をメインに扱う病院らしい。
そこに行くことで、この最悪の体調が改善するならいいが、そんな気は全くしない。
しかし行かなかったことを知ったら母親がなんて言うかわからないし、その対応の方がめんどくさそうだ。
さっさと済ましてしまおう。
俺は食欲のない体に無理矢理ゼリーを流し込み、病院に向かった。
病院は家の最寄りから二駅先にあった。
案外近い。
5分ほど歩くと、小さめの看板が見えてくる。
「夜久医院」
これだ。
扉を開くとすぐ目の前には受付があり、「初めての方はこちらをお書きください」と女性が問診票を手渡してきた。
それを受け取り椅子に座る。
小さな病院だ。
平日の昼間だからか患者は少ない。
問診票を提出しに行くと、「お呼びしますので少々お待ちくださいね」と言われた。
適当に雑誌を手に取り時間を潰す。
病院独特の匂いになぜだか少し落ち着くような気がした。
「月野さん」
案外すぐに呼ばれて診察室に入る。
そこには若い男が座っていた。
「月野さん、はじめまして。夜久と言います」
柔らかい声色の男はにこりと微笑んだ。
無機質なアラーム音に目を覚ます。
今日も目が覚めてしまった。
起き上がるのがだるい。気持ち悪い。
よろよろと立ち上がると水を一口、体に入れる。
「はぁ………」
一緒に抑制剤も口に放り込んだ。
今日は病院に行く日。
母親が俺の不調を心配して勝手に予約した精神科。
精神科といっても、第二の性に関する問題から起こる不調をメインに扱う病院らしい。
そこに行くことで、この最悪の体調が改善するならいいが、そんな気は全くしない。
しかし行かなかったことを知ったら母親がなんて言うかわからないし、その対応の方がめんどくさそうだ。
さっさと済ましてしまおう。
俺は食欲のない体に無理矢理ゼリーを流し込み、病院に向かった。
病院は家の最寄りから二駅先にあった。
案外近い。
5分ほど歩くと、小さめの看板が見えてくる。
「夜久医院」
これだ。
扉を開くとすぐ目の前には受付があり、「初めての方はこちらをお書きください」と女性が問診票を手渡してきた。
それを受け取り椅子に座る。
小さな病院だ。
平日の昼間だからか患者は少ない。
問診票を提出しに行くと、「お呼びしますので少々お待ちくださいね」と言われた。
適当に雑誌を手に取り時間を潰す。
病院独特の匂いになぜだか少し落ち着くような気がした。
「月野さん」
案外すぐに呼ばれて診察室に入る。
そこには若い男が座っていた。
「月野さん、はじめまして。夜久と言います」
柔らかい声色の男はにこりと微笑んだ。
