テキストサイズ

『エリーゼのために…』

第1章 エリーゼのために…

 6

「あ…はぁぁ…」

 葵さんは、唇を離し…

「ふふふ…
 駿くんがかわいいから、ついキスしちゃった…」
 潤んだ瞳でそう囁いてきた。

「ぁ…ぅ…」

 僕はドキドキと、ズキズキとした昂ぶりで、声も、そして応えようがなかった…

「あうっ」
 すると葵さんは更に追い打ちを掛けてきたのだ。

「あら…駿くんも…こんなに…」
 なんと、僕の股間をギュッと握ってきた。

「こんなになっちゃってぇ…」

 そして再び唇が重なり…

 股間をギュッ、ギュッと握ってくる…


「あ…ん…」

 その時…

 全身に激しい快感の電流が走り抜け…

 僕は…

「はあっ、うぅっ…」

 僕は、パンツの中で…

 射精してしまった…

 ブルブルとカラダが小刻みに震えてしまう…


「え、あ、あら、出ちゃった…の?…」

「……………」

 僕は恥ずかしいのと、あまりにも快感だったのと…
 顔が上げられず、返事も出来ない。

 そして、快感よりも羞恥心が勝り…

「あ、か、帰るっ」
 思わず、そう言って、慌てて、リビングの窓から外へと走り出してしまった。


「あっ、駿くんっ」
 後ろから葵さんの声が聞こえる…

「また、すぐに来てっ…
 ビアノの音がしてたら…
 わたしは…ここに…居るからぁ……」

 そう…

 聞こえた…

 そして僕は、家まで一気に走って行く…

 パンツの中が…

 気持ち悪かった…

 だけど…

 気持ち良かった…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ