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緋色の罠

第3章 緋の誘惑〜罠

「それから僕は、毎日こちらのお宅に来て庭に回り、あの辺から…」

 そう言って彼は窓の端の方を指さした。確かにカーテンに少しだけ隙間がある。

「えっ、毎日?」
「そう。毎日あのカーテンの隙間からあなたを見ていました。ユリさんがひとりで淫らなことをしている姿を」

 手が震えている。手だけじゃなくて冷え切って嫌な汗をかいている身体も震えている。

「それをスマートフォンのビデオで撮りました。」
「…何ですって」
「ビデオです。このソファーに浅く腰かけて素っ裸で脚を開いているあなたが、バイブレーターを使ってオナニーをしているところを、カーテンの隙間からビデオで撮りました」
「そんな…ひどいわ…」
「本当です。嘘だと思うならご覧になりますか?」

 彼の手にはポケットから取り出したと思われるスマートフォンがあった。

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