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緋色の罠

第2章 緋の想い

 その日から、時間が空くと淫靡な行為にふけるようになった。

 誰もいない、誰にも見られることのない環境で、わたしの恥ずべき行為は夫が不在のときの習慣になっていった。

 服を脱いで丸裸になって自分を慰めるベッドで、浴室でシャワーを浴びながら、ソファーに座り大きく脚を開いて、いやらしい粘るような水音を立てながら股間をかき回し、千切れそうなほど強く乳房を揉んで、恥じらいも忘れて喘ぎまくる。

 姿見の前で素っ裸でオナニーをするのが一番恥ずかしくて興奮した。

 足を開いて立ち、自分の浅ましい姿を見ながら淫らな行為に没頭する。

 誰にも邪魔されることのないわたしだけの秘密の遊戯。

 自分の手で自分を絶頂に追い込んだあと、余韻に浸りながらふと思った。

 夫は自分の性欲をどう処理しているのか?

 わたしとセックスしない夫も欲求が溜まっているはず。彼の性欲のはけ口は何だろう。

 自慰をしているところは見たことがないが、もしかしたら外で女を抱いているのかもしれない。

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