
いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る
第11章 幾月が経ち…
紅「そんじゃあ、おいら達からも
アンタ達に渡したい物がある…」
藍も着物の袂から同じ物を渡した…
それは…
藍色と紅色の、つげ櫛と組紐だった…
頼「これは頂けませんよっ!!」
文「そうですよっ!!
お二人の大切な物じゃないですかっ!?」
藍「これからは紅の傍に居られるから
もう俺らには必要ねぇよ…
その代わり…」
武「何だよっ!!男ならハッキリしろよ!」
藍「この、つげ櫛と組紐を
俺らと思って…大切にしろ…
そんで俺と紅の事を…
お前らの子孫に語り継いでくれ…」
薬「し、子孫って…」
急に四人の子供達の顔が
真っ赤になった…
紅「ふふふっ…可愛いねぇ…
アンタ達が、お互いを
想い合ってるのは分かっていたよ…」
