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ビッケとビッチ

第3章 11月23日木曜日勤労感謝の日の夜…

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 そしてわたしは予定通りに11月21日火曜日に生理になり、終了予定は約一週間後の27日の月曜日なのだが…


『悠里さん、食事だけでも行きませんか?』

『会いたいです』

『エッチ出来なくたっていいです』

 等々、和哉くんのLINE攻撃が次の20日月曜日から始まったのである。

 市役所は暇なのか、一日数回、いや、10通位、朝から夜までLINE攻撃が20日から始まり、22日の夕方まで来たのだ…

 和哉くんの気持ち的には分かるし、現段階ではほぼ恋心に近い好意を、いや、恋心だろう、そんな想いを抱いていたから、最初の頃は数回程返信もしたのだが…

 途中からは、あまりの多さに既読スルー状態にしてしまった程であった。

 だが、嫌悪感は全く無く…

 いや、正直、少し嬉しい気持ちが強かったのだ。

 だけど生理だし…

 この生理という期間の約一週間という時間を、心の昂ぶりのインターバルにしようとも、自分自身を自制していたのだが…

『明日から封切の○○○○ていう映画に行きませんか?』
 というLINEに…
 とうとうわたしの心が引っ掛かってしまったのである。

 映画鑑賞…
 それは、わたしの生活サイクルの中で、とても重要な地位を占めている。

 わたしはどちらかといえばよりリアルな、現実的な映画を好む…

 但し、基本的にはホラー以外は観る…

 そして映画にはまず夢があり…

 非日常の日常的なモノに心が揺さぶられ…

 また、ストーリー展開や、場面構成等が趣味である小説執筆の参考と勉強にもなり…

 そして自分自身を新たに見つめ直す大切な時間でもある…

 だから、映画鑑賞はほぼ一人…

 だけど、たまには映画の感想等を話したりはしてみたい…
 そんな想いもあるにはある。

 特に、話題の大作映画等は、たまには誰かと観て、その内容の感想等を話したりはしてみたい。
 
 そして今回、その和哉くんが誘ってきた映画が、正にその大作映画であったのだ…

 タイミングがバッチリ重なってしまったのである。



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