
素敵な飼い主様
第8章 地獄という名の日常
「紫苑?!」
「お願いします藤林様!どうかお引取りを・・・!」
そんなやり取りが、扉の前で行われているけれど。
バンッ!!
「紫苑!!」
無理やり使用人を押しのけた彼が、力強く扉を開けた。
綺麗な漆黒の髪は、汗で少し濡れていて。
息をあがらせ肩で息する神矢は、多分急いで来てくれたのかもしれない。
けれど、あたしの全裸の姿を見て、神矢の顔はすぐに怒りの表情へと変わった。
それは、あたしにむけられたものじゃなくて、
「ひぃぃっ!!」
身を小さくしていた椎名様に、だ。
