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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第3章 シモンズ・シモーヌ


簡単な朝食を摂ったあと、クレリアに促されてフィルはシャワーを浴びていた

台所の壁の反対側に設けられたシャワールームはとても狭く、これならビーチのコインシャワーのほうがマシだな、とフィルは思った


髪の毛を合成洗剤のようなもので洗ってみたが、きっと後で後悔しそうだ

ウェールズに居た頃は硬水だったため、後で髪の毛がゴワついたものだったがサイド7では軟水だったおかげで苦労せずに済んだことを思い出す

“コロニーの水って氷の小惑星や隕石から取り込むのだったっけ?? 隕石からの水は硬水とか軟水とかあるのだろうか?”


そんなどうでもいいことを考えながら髪の毛の合成洗剤を洗い流す


シャワーの蛇口はすぐに止めた
きっと宇宙では水が貴重な筈だ

無音となった極狭のシャワールームでタオルを使っていたら突然扉を開けさせられた


「いつまで入ってんだッ!?
 次は私なんだからさっさと出ろッ!」


あまりの突然のことでフィルはうッ!と身をすくめたまま動けなかった


驚きのあまり固まったままのフィルは自身の身体を隠そうとしないので、ついクレリアは視線を下の方へ落としてしまう


クレリアはおもむろに“ふっ……”、と笑うと

「神のご加護を」

と小声で言った


「どういう意味ですかッッ!?
 いま鼻で笑いましたねッッ??」


フィルは慌てて身体を隠して絶叫した


「お坊っちゃま? ようこそ廃棄されたロストコロニーへ!! ここは軍が買い取った訓練コロニー、アンタのようなお子様がウロウロしていいような場所じゃないんだよ?
 さぁ、さっさと出ておくれ、次は私が使うんだから!!
 この業界にはいくつもライフルが置いてあるからね、お姉さんを覗いたりしたら容赦なくぶっ放すからねッッ!!」


そう言ってフィルは濡れたまま全裸で追い出されてしまった


“やっぱりとんでもないところに来てしまった”

とフィルはここに来てからため息ばかりついていた……



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