
paradise lost
第1章 overture
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数多の苦難と数多の試練の果てに…俺は…『俺達』は何を失い、何を得ようとしているか、『俺達』は分かっていなかった。
『玉木 蒼君…君に新入生代表をやってもらうからね』
『……………は?……』
受験した来栖学園に合格しているのかと確認しに来た俺は合格しているのを確認してさっさと帰ろうとすると合格者の貼り紙を掲示板に貼った教師に大事な話があると言って校長室に案内された。そして校長の孝太郎に新入生代表をやってもらうと告げられた。孝太郎の予想外の発言に俺は思わず間の抜けた声を上げてしまう。
『なんかの間違いですよね?』
あまり目立ちたくない俺は新入生代表を断りたかったが、断る理由をまだ出逢って数分しか経ってない孝太郎に話したくはない。
『いやいや、何の間違いでもないよ、玉木君…君に新入生代表をお願いするって職員会議で決まったんだよ』
孝太郎の話を聞いて俺は今年のよっぽど新入生はよっぽどレベルが低かったのかと危惧する。
『いや…新入生代表がこんなにすんなり決まったのはかなり久しぶりだよ、いつもはもっとこう色々と揉めるからね』
『そうなんですか?』
いつもは揉めると聞いた俺は断りにくくなったと内心で頭を抱えた。そんな俺の心境を他所に孝太郎の舌は軽くなる。
『それはもちろん、有難いことにウチの高校の門を叩く生徒は多いからね、いつもレベル高い子が多いから揉める事が多いんだけど、いつもなら成績上位トップ10からひとりひとり丁寧に内申も考慮して選ぶんだけど、今回は突出して優秀な子が居たからすんなり決まったけどね』
『へぇ、そんな人が居たんですね』
『いや、君のことだよ』
俺の他人事のような態度に孝太郎が突っ込む。孝太郎の期待した視線を向けられた俺は顔を痙攣らせる。俺の過去を考えると新入生代表を引き受けるのは得策ではない気がするが、孝太郎も素直に引き下がるとは思えなかった。
『………分かりました、新入生代表の挨拶の件、引き受けます』
新入生代表の挨拶を引き受けたからと言っても、あんな事にはならないだろうと俺は腹を括った。孝太郎はほっと息を吐いた。

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