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リバース!(R-18)

第6章 変態タレ目ナルシストに昇格おめでとう

「おまえ、ライターか何か持ってるだろ」
三日目の晩、グランがルーシーに言った。ちなみに、ここはオアシスではない。今回は、テント周辺に木々はなく、砂漠が広がっていた。テントから少し離れたところに二人は立っている。

「持ってないわよ」

「じゃあなんで服が焦げてんだよ。…言っとくけど、おまえのこの三日間の嫌がらせには全部気づいてるからな」

「…あ、バレてた?でもその袖は違うわよ、この前穴開けたのはあたしだけど。あんたさ」

何、という顔をグランが向けると、ルーシーはビシリと言う。

「二重人格でしょ」


「よくわかったな」
グランはあっさりと認めた。

「こんなにいろいろあってバレない方がおかしいわよ!もっとしっかり隠しなさいよっ」

「一応今まで誰にも気づかれなかったんだけどな」

「…あんたの周りはどうなってんのよ」
気づくでしょ、ふつー…。

「まぁいいわ。とにかく服燃やしたのはあたしじゃないし、もういいでしょ。じゃあね」
ルーシーにはもう、グランを襲う気はなかった。そうすれば、必ずもう一方のグランに何倍にもして返されるのだ。これ以上関わらないようにくるりと踵を返し、テントへ向かって歩き始めた。


「待て」
グランが言う。続けて何かぶつぶつ言うと、ルーシーは何かにつまずいた。

「うわっ」
声をあげてよろめくが、なんとか踏んばる。
…足もとを見ると、つまずいたのではなく左足が氷づけになっており、ぴくりとも動かせなかった。また、ルーシーは気づいていなかったが、実は剣も抜けなくしてあった。
ルーシーは恐る恐る振り返る。

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