一夜限りでは終わりたくない
第1章 一夜限りの関係
“ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン”
さらにドアをドンドンと叩く音もした。
“ドン、ドン、ドン”
高柳は少し怒った表情をする。
「うるせーな、誰だよ…こんなお楽しみの最中に、出るわけないだろ!」
そして、さらには高柳の胸ポケットに入っていた携帯も鳴り出したのだ。
携帯の画面を確認すると高柳は仕方なく電話に出たのだ。
「…あぁ、なんか用か?」
すると少し驚いた表情になる。
「はぁ?なんでお前がここに来るんだよ!」
誰かがドアの外に来ているようだ。
高柳は仕方なく私に咥えさせていた自分自身を私の口から引き抜いて、下着の中に戻した。
そして着衣を直すと私を強引に部屋に上がらせて、自分は玄関でドアを開けた。
「高柳部長、うちの営業がお邪魔していませんか?」
どこかで聞いたことのある声だ。
私はその声を聞いて玄関に飛び出した。
「助けてください!」
私が玄関に飛び出すと、そこに居たのは藤堂副社長だ。
なぜここに来たのかは分からないが、助かったと感じた私は藤堂副社長に駆け寄り飛びついた。
「おやおや、やはりうちの大切な営業社員がお邪魔していたようですね。」
高柳は額に手を当て、なぜか口角を上げた。
「藤堂、お前は昔から俺の邪魔ばかりするなぁ…いい加減にしてくれないか」
「俺がいつお前の邪魔をしたんだ…勝手にお前がそう思っているだけだろ」
どうやらこの二人は昔からの知り合いのようだ。