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幽霊の悩み事

第1章 幽霊の悩み事

 僕は松本司が学校から出てくるのを待った。単刀直入に相沢はるかのことを伝えると、松本はニヤリと笑った。


「それは神職としての君の自己満足だろ? はるかは俺といることを望んだ。それがはるかの幸せだ」

「でも彼女が悪霊になったら、あなたを殺すかもしれませんよ?」

「それは大丈夫だよ。はるかの魂は人形に入ったから」

「えっ……!?」


 どうりで相沢はるかの姿が見えないと思った。


「はるかは喜んでいたよ。器があれば、俺に触れることができるんだから」


 狂ってる。
 だけど、それを彼女が望んだことなら……。


 僕は幽霊の悩みを聞くことしかできない。何が正解で、何が不正解かわからない。


 人の……幽霊の幸せなんて、僕が決めることじゃない。


 でも……。




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