奥深くナカに注いでください…
第6章 【超進学塾の淫らな個別指導】
塾の講師になったのは、長年夢見ていた教師という道から足を踏み外したからだった
中学、高校と教師を4年ほど続けたが、ストレスが原因で長くは続かなかった
教える事が好きだったはずなのに、好きな仕事が好きじゃなくなっていく事の怖さが勝ってしまったのだ
暫く休職していたが、知り合いに声をかけられて
少人数制の塾の講師にこの9月から配属された
静かに授業を聞いてくれている、どんどん質問が飛び交う、やる気のある生徒のみのクラス
それは俺にとって楽園のように感じた
少人数のクラスも経験して、個別指導も受け持つようになった
この進学塾はとにかく結果が全て、そのプロセスを個別で算出し、必ず志望校へ受からせる
講師たちもトップレベルを揃えていて少々、自分は場違いな気もするが生徒の間ではまだ手応えもあるようだ
「個別指導となればより深く関わらないといけないですからね、その子のやる気と実力を引き出して成績アップ、期待してますよ、なんてったって生徒の人気No.1なんですから」
「そ、そんな……プレッシャーかけないでください」
「ガハハハ!まぁ、あまり肩に力入れないで、自然体で接してください」
「はい!」
人気No.1とかは聞いてないぞ
俺を持ち上げてくれたのかな?
俺以外の講師は皆、大ベテランで50代が多い
某有名大学、何百人と合格させてきたみたいだからな
俺が受け持つ生徒もその1人にしてあげたい
「今日から僕が担当になりました、高木です、宜しく」
「んふふ、宜しくお願いしまーす」
部屋に入るなり「高木先生?やったー!」と言ってくれて嬉しかった
この子の志望校もかなり偏差値が高い
今の段階ではB判定だが、この3ヶ月でA判定にまで登りつめてみせる
「先生、力み過ぎ、ウケる」
「当たり前だろ、しっかり今のレベル把握してるだろうな?」