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国家特別プロジェクト

第1章 オリエンテーション

部屋を見て少し落ち着いたあと、館内アナウンスが響いた📢
――「これより各階ごとに昼食をとってください」

こころちゃんと並んで食堂へ向かうと、そこには白色の大きな丸テーブルが真ん中に置かれていた。
その周りにパステルカラーの座布団がぐるりと並べられていて、中央には花瓶に小さな花が生けられている。
思わず「わぁ……🥹」と声が漏れた。

「カフェみたいだね」
こころちゃんが嬉しそうに微笑む。

カウンターには、ぶりの照り焼き定食とさんまの塩焼き定食が整然と並べられていた。
湯気がふわりと立ちのぼり、香ばしい匂いが食堂いっぱいに広がる。

それぞれが好きな方を手に取り、思い思いに座布団へ腰を下ろしていく。

「じゃあ、せっかくだし自己紹介しよっか!」
誰かの提案で、自然と自己紹介が始まった。

「かとうさりなです。よろしくお願いします!」
「きたむらるかです。るかって呼んでください😆仲良くしましょう🎵」
「しょうじのどかです。気軽に話しかけて下さい😉よろしくお願いします!」

順番に声がつながり、私も「加藤まりかです!仲良くしてください🙌🏻」と笑顔で言った。
すぐ隣のこころちゃんも「安藤こころです、よろしくお願いします」と少し恥ずかしそうに言う。

会話はすぐに弾んだ。
「部屋の色、何色だった?」という話題になると――

「ブルーだった💙」
「私はピンク!」
「私はグリーンで、落ち着く感じだったよ」

私とこころちゃんは顔を見合わせてから、「私たちはオレンジ🧡」と答える。
すると、みんなが「元気出そうでいいね🤣」と笑ってくれた。

丸いテーブルを囲み、みんなで同じご飯を食べて、笑い合う。
不安よりも、少しずつ安心と期待が心に広がっていった。

――きっと、この三ヶ月は悪くない💭

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