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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


「――え、何コレどうなってんの!?」


 菊池明が屋台を見に行き、クラスに戻ると、そこにはなぜか手錠を嵌められた男女が集まっていた。よく見れば、全員コスプレ鬼ごっこで鬼役になっていた人たちだ。

 さらにみんな、首にかけていた名札の中身がなくなっている。


「明ちゃーん手錠の鍵、どこ?」

「あー、持ってる持ってる」


 慌てて制服のスカートのポケットから鍵を取り出し、鬼の子たちの手錠を順に外していく。

 用意した手錠自体は十二個。一回のゲームにつき鬼役は十人なので、本当は十個で足りるが、何かあった時のために一応二つ余分に用意した。

 一つの手錠に一つずつついている鍵も、無くさないようまとめてロッカーにしまってある。鍵の形は皆同じなので、一つだけ明が持つだけで、事足りるはずだったのだが。

 けれど、本来なら使うとしてもそれは宵に対してだけだったはずなのに。

 どうして鬼役の子たちが揃いもそろって。

 ざっと数えたところ、手錠を嵌められた子は九人。

 唯一無事だった大山に尋ねる。


「事の詳細を説明せよ」

「簡潔に申し上げますと……返り討ちに遭いました」

「……マジか」

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