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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 そして、もう一つ面倒な理由。家庭科室は特別教室などが多くある北校舎の三階の、一番奥にあった。焼きそばを売る屋台とは随分離れているため、行くだけで時間がかかってしまうのだ。


(せめて材料を集める場所、もうちょっと近くに確保してくれたら助かるんだけどなぁ)


 明は肩をげんなり落としつつ、階段を上る。北校舎には、ほとんど人気がなかった。こちらの校舎の教室も、一応文化祭では使われている。けれど出し物というよりは展示物が中心なので、あまり人は集まらないらしかった。

 明はようやく三階へとたどり着き、目的の家庭科室へと向かう。

 家庭科室には、多少人がいるだろうか。野菜を切ったり下ごしらえをしたり、家庭科室で簡単な調理などをすることは一応許可されている。けれどもスペースや道具があまりないので、明のクラスでは屋台の中で調理することにしていた。

 家庭科室の中にはやはり何人か人がいるらしく、ドアの窓から人影が見えた。かすかにだが話し声もする。

 明もさっさと材料を取って戻ろうと、家庭科室のドアに手をかけた時。

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