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第4章 脅迫と強要


 感じたことのない恐怖に固まっている悠理に対して、爽真は笑みを崩さず言葉をつづけた。


「もう気づいてるだろうけど、淹れた紅茶に特殊な薬を混ぜてたんだ。いわゆる媚薬ってやつを、ちょっと多めにね」


 ごめんね、辛い思いさせちゃって。

 そう言いながらも人のいい笑顔を浮かべている爽真に、悠理は青白い顔のままやっぱりと両手を握りしめる。

 媚薬の存在自体は中学に上がってすぐ知識として永井に教わっていたが、一か月ほど前にその実物を見た覚えがあった。

 どこからの発注からまでは知らされていないものの、そのときの媚薬の効果が今回の悠理の痴態とよく似ていた。

 物を管理していたときこそ商売だからと何も考えてはいなかったが、同じ目に遭っている女がいるのかと思えば考えを改めざるを得ない。

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