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たからもの

第16章 帝王切開

安心も束の間


たった5分後には
また徐脈がでてしまった



なんで?どーしたの?

優ちゃん…
お願い無事でいて……



心の中で、
ただひたすら祈った





さすがに短時間で
再度、徐脈が起こったこともあり
看護師さんの顔が曇った


「ご主人に連絡とれるかな?」


ドキッとした
こんな早朝4時頃に連絡をとるなんて
余程のことじゃない限りない


「お休みのはずなので
 連絡とれると思いますが…」

「念のため来てもらって」



その言葉を聞けば分かる
子どもが危険な状況の可能性が
あるってことだよね…



すぐ旦那に連絡をいれる



深呼吸をしながら
携帯を耳にあてた


長いコール音





ガチャッ


「あ」

「ただいま電話に…」


聞きたかった旦那の声ではなく
電話に出れないことを告げる
女性の声で言われる機械音


一度切って再度かけた




お願い…出て………




この間に
優ちゃんの心音は戻っていた



また鳴り響くコール音




秋………
お願い…………


ガチャッ

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