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狼と白頭巾ちゃん

第17章 突然の雨で…

「ライラ、あそこの大きな木の下に行こう!」

「えっ?……キャッ⁈」


急に降り出した雨に慌てるライラを、言うが早いか抱えたシンは、雨を切って走った。

一瞬の内に、大きく葉を繁らす木の元へと辿り着き、シンはそっとライラを降ろした。


「あ、ありがとう。シン」

「ごめん。もっと早く気が付けば良かった…」


降り出してすぐ移動したものの、勢いが強かったためか、ライラは既にしっとり濡れていた。

自分の服と髪を触りながら濡れ具合を確かめていたライラだったが、シンがしゅんとしているのに気付くと、笑顔を見せた。


「大丈夫よ、シン。あなたのお陰で思ってたより濡れなかったし。気にしないで?」


そう言うと、項垂れているシンの頬を両手で掴んで引き寄せて、その頬に軽くキスをした。

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