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お告げ

第15章 悲しみの中の少女たち

ブー、ブー
バイブが鳴ってる。
しかし沙耶は気にしない。

ひたすら母の手を握り、悲しい祈りをした。

私のこと覚えていてほしい。
私のこと見てほしい。
私の声聞いてほしい。
私の…

これから母はどうやって生きるのだろう。
五感を失い、記憶も無くした。

どう考えても先は暗い。
父は今、自衛隊で働いていて、先日の大震災の救済活動をしていて、家にいない。


一粒の涙が母の手に落ちた。

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