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パプリカより甘いカレ。

第2章 恋はピーマンとパプリカ



コンコン。


「どーぞ」



「し、失礼します…」


ヤバい、緊張してる。
心臓バクンバクンだ。


「は、葉崎…!」


先生は動揺していた。
やっぱり、ちゃんと謝ろう。


「先生、昨日…電話でキレちゃってごめんなさい」


私は深くお辞儀を
するように謝った。


「いや、そっちじゃなくて…」



「え?」


どういうこと?



「いや、なんでもねーから」


「先生、はっきり言ってください」


「なんもないから。しつこい」


しつこい…



なんで、私と目を合わせてくれないの?


こんなに好きなのに…



「…そんなに私のこと嫌い?」


この言葉を言ったときには、もう涙で顔がグシャグシャだった。



「葉崎、違うんだって」


先生は私が泣いて焦っているようだ。

その困った顔すら
大好きなのに。




ああ、恋って



パプリカとピーマンのように



甘くて



苦い。




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