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2つのグラス

第5章 青いグラス


社長の話は少し陰りを
見せた

各部署の売上について
である


今月はどの部署も
売上が良くない


奈央の部署は辛うじて
売上に達成していたので
特につつかれることは
なく済んだ


…良かった。


次は西山部長だった
あと一息の売上

社長は厳しくあたる

「どうするんだ?
見込みは?」

「見込みは1件ですが
確約がというと非常に
厳しい状態です」

「…しっかり取れ
最近君の部署はギリギリ
すぎやしないか?
家庭サービスの時間が
大切かもしれんが、
ほどほどにしてくれ」


西山部長は
「お言葉ではありますが
我が部署は2課の
フォローも先々月より
行い、今のところ両部署
売上は計画に乗せています。
確かに家族は大切
ですが、仕事は結果を
あげております。
その点ボーナス反映の
程よろしくお願いします」

と切り返した

「まぁ…とりあえず
今月は押さえてくれ。
それよりそのボーナスは
愛する奥様のために…か?」

と社長は笑う


西山部長は焦ったように

「い、いや…妻でなく
娘ですよ」


と返した


奈央は笑いたい衝動を
我慢し、どこか動揺
している西山部長を
可愛く思った

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